エアコンとどう違うの?今注目の全館空調システムとは

エアコンとどう違うの?今注目の全館空調システムとは

住宅の高断熱高気密化にともない、VOCをはじめとした化学物質によるシックハウス症候群の増加が問題になりました。そこで2003年に建築基準法が改正され、24時間換気システムを設置することが義務づけられました。 今では新築時に24時間の自動管理による空調設備(全館空調システム)を導入する家庭も増えているとのこと。 従来のエアコンとどのような違いがあるのでしょうか?エアコンよりもお得なのでしょうか? []

ボタン一つで快適になれる?全館空調システムとは

天井や壁にダクトを張り巡らせることで家の中のどこにいても室温を同一に保つことができる全館空調システム。温度管理のほかにも、空気を入れ替える換気や湿度を一定に保つ除湿(加湿)機能もあります。

梅雨時のジメジメが無いので、結露やダニ、カビの悩みから解放されます。また、同時に適度な潤いも与えるので冬の乾燥から身を守れます。常に室内の空気を清浄するので、花粉等のアレルギー体質の人にも嬉しい機能です。気管の弱い人や小さな子ども、お年寄りのいる家庭ではヒートショックを避けられるなど、安心を得られるシステムと言えるでしょう。

長い目で見ればお得?な全館空調

全館空調システムは、建物のサイズや形状、立地条件などによってランニングコストがかなり左右されます。ですから、一言で「エアコンよりお得かどうか」を断言することはできません。

参考のために、一般的な一戸建て住宅を例に全館空調システムのコストについてご説明しましょう。一戸建て住宅の場合、導入の初期費用は税別で約150〜200万円、55坪だと多くて250万円ほどかかります。

では次にランニングコストを見ていきましょう。設定温度を冷房28℃暖房20℃にして24時間365日使用した場合、全館空調システムでは8000円前後/年のコストが計算されます。6畳用355Wのエアコンを同様の設定で使用した場合は6000円前後/年という数字が出ました。ということは、両方ともだいたい同じ電気代がかかるという結果です。

ランニングコスト抑えたい方は、壁や床に断熱材を入れておけば、空調の効率が良くなります。新築時であれば建物を立ててから工事をするより導入しやすいので、住宅建設を考えている方は一度検討してみてください。

エアコンよりもお得になる条件とは?

すでに述べたとおり、家族構成・立地、間取り等の違いによってランニングコストが大きく変わります。全館空調システムがエアコンよりもお得なのかどうかは一言では言い切れませんが、下記に示すような条件に当てはまる方は導入を検討してみてもいいでしょう。

*高齢者、気管や皮膚の疾患に悩む家族がいる *室内のインテリア的美的観点から、スッキリと美しく見せたい *家族が多い=部屋数が多い=エアコン台数が多いので電気代がかかりそう *エアコンが多いと室外機も多いので、設置面積の占領や運転音が気になる *寒冷地など地域的にエアコン稼働月間が一年のうちの大半を占める場合

夏の異常高温、排気ガスやPM2,5、黄砂、火山灰、流行性ウィルス…今や日本列島を取り巻く環境変化は深刻レベルになりつつあります。全館空調システムは、一年中冷暖房が付けっ放しになるわけですから、コストは決して安いとはいえません。しかし、命に関わる危険から家族を遠ざけることができるのですから、単にコストの問題だけで導入の可否を判断することはできないでしょう。

これから何十年も住むことになる家の「住環境」によって「家族の健康」も大きく影響を受けることは想像に難くありません。しかしながら、これまで健康と住宅を関連付けた「実証調査」はありませんでした。このたび、慶応義塾大学並びに首都大学東京の調査と、我々で行った独自の調査(調査期間:2014年から2015年)で実証された住宅を体感・観覧できます。一度ぜひお越しください。

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